シン・仮面ライダー見てきたので感想を正直に語るよ

シン・仮面ライダー見てきたのでライダーのド素人が感想を正直に語るよ

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何かと話題(だよね?)のシン・仮面ライダーを見てきました。

見てきた人:初代は未視聴。平成ライダーを何本か見た程度の仮面ライダード素人。

結論:庵野監督のカラー、特に人間の心情の描き方が好きな人ならまぁまぁ楽しめる。ゴジラ並みの単純明快ド派手なバトルを期待するなら辞めといた方がいい。

個人的な面白さランキング:ゴジラ>(越えられない壁)>ウルトラマン>仮面ライダー。

シン・仮面ライダーネタバレなし感想

良くも悪くも映像面はチープで地味。バトルシーンも地味。「人の心」のドラマは好みが分かれそう。

ちょいちょい流れる初代のテーマソング、仮面ライダーの決めポーズ、超ジャンプからのライダーキック、バイクががしょんがしょん!って変形するシーンってお約束は何だかんだ熱い。仮面ライダー素人の私でもワクワクしました。

一方、敵も味方も等身大の人間サイズで基本的にバトルは近接格闘戦なので、でかいロボットや怪獣やウルトラマンがビーム撃ったり爆弾投下したり電車ぶつけたりエッフェル塔持って突撃するような、どっかんどっかん戦う派手さや爽快感はないです。

じゃあリアルな戦闘に寄せてるのかというと「ドラゴンボール?」みたいなバトルがあったり、へばったオッサン同士の取っ組み合いみたいなバトルがあったり、「監督は何をやりたかったん?」と思うところもありました。

あと、画面が暗くて何をやってるのか全然分からないバトルシーンが普通に残念)。意図的な表現だそうですが、正直不要なこだわりだったと思うな…。人物がボソボソ喋ってて聞き取れないセリフもありました。

映画館ならではの大迫力バトルはないし、「敵には敵の信ずる正義と幸福の定義があるが、それは人間とは相容れない歪んだものである」「強大な力と人間の心の狭間で苦悩する主人公」ってシナリオだったので、2時間映画より1クールTVドラマの方が向いてたと思います。

世界観(世界設定)は庵野カラーが濃く複雑。ぶっちゃけ1回見ただけでは分かりにくいです。エヴァやルルーシュを知っていると、ラスボスの野望がスッと理解できると思います。

色々世界観や設定を説明してくれるのですが、台詞が早口で長いので初見でついて行くのは大変そう。「それ、パンフに書いておけばいいんじゃない?」って設定をキャラに喋らせてるので余計に。

庵野監督の作品が好きで、派手なバトルより人間の心情描写が好きで、興味と時間と趣味の予算に余裕があるなら、結構楽しめるんじゃないかなーって印象です。

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シン・仮面ライダー用語解説(多分ネタバレなし)

正確な設定は分かりませんので私の解釈ですが、「こんな感じでフワッとでも知っておくと話が分かりやすいよ」ってアレコレ。

ショッカー

組織の名前。私はずっと末端戦闘員のことだと思ってました。

今作では悪の組織ではなく「独自の信念と価値観による『人類の幸福』の実現を目指すヤバい組織」って感じ。碇ゲンドウやブリタニア皇帝(シャルル)やプッチ神父みたいなことをやろうとしてる、と言えば分かりやすいかな?

「ショッカー」組織内には複数の幹部がいて派閥争いもあるものの、わけあって「組織のボス」は存在しない。

オーグ

昆虫モチーフで体を改造された強化人間達のこと。「ショッカー」の幹部達は、今作のラスボス含め全員オーグ。主人公の仮面ライダーもオーグ。

プラーナ

今作のシナリオを理解するための大事なキーワード。これが何なのか分かってないと、ラストバトルが「何でこれで決着したん…?」ってなってしまうと思います。

プラーナとは、魂・生命のエネルギー。ゲームで言うHP、Fateの魔力のようなもの。普通の人間がこれを抜かれると「魂が抜かれた状態」になり、事実上死亡します。

プラーナはエネルギーとして消費もできるし、特定の場所に(デジタルデータを保存する感覚で)保存することもできます。

普通の人間じゃない仮面ライダーやオーグ達は、割とお手軽にプラーナを出したり抜いたりできます。プラーナを取り込むとパワーアップも出来ますが、「体内のプラーナが全部なくなると衰弱死する」のは人間と同じ。逆に言うとプラーナの供給がある間はHP無限大のようなものなので、どれだけダメージを与えても死にません。

シン・仮面ライダー感想(ネタバレあり)

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仮面ライダー1号&2号

「仮面ライダーへの派手な変身シーン」は無く、「服を着替えてメットをかぶる」という地味描写だったのが残念。ところどころで「両手を伸ばして大きく数字の2を書く」ゼスチャーの決めポーズはあったんだけど、すごく熱かったんだけど、そのポーズをとるなら魔法少女的な変身してほしかったなー。

1号の「カタログスペックは高いけどコミュ障なので無職」って設定はいかにもシンジ君風、かつ今風ですね。そんな彼が最後に「人の心を分かるようになりたい」と言ったのが良かった。

生真面目な1号と自由な2号の対比も良かった。

最後、「1号の意志を2号が継いでいく」って終わり方は良かったと思います。

緑川ルリ子

アスカとミサトさんとレイを足して3で割ったようなヒロイン兼キーパーソンなんだけど、彼女のおかげで仮面ライダー達はラスボスに勝てたはずなんだけど、「蜂オーグと湿度高めの百合展開やってた」しか印象に残ってなくてすまない。

最終決戦で「理想を違えた兄と対峙し説得する」という、ナディアみたいなこともやってたのでやっぱり庵野作品ヒロイン。

敵幹部(ラスボス以外)

正直、一番最初に出て来た蜘蛛オーグがキャラもバトルも一番良かったです。やたらチャックを開けるので「ブチャラティ…」と思ってました。近接格闘戦の後にお約束のライダーキックで決めるのが熱い。

「私は幸福を感じます」とか、ちょいちょいメフィラスを思わせるセリフを言うのも良い。

次の蝙蝠オーグは、空を飛ぶ敵のCGがチープでテンポが悪くダレ気味だったので、ちょっと残念。小手先のテクニックではなく「ジャンプしてすごい蹴り」で倒す潔さは良かったです。

三人目の蠍オーグ。「お約束のセクシー系女性幹部かな?」と思ったら、セクシーにも色物にも振り切れてなくて反応に困るキャラ。

しかも仮面ライダーではなく政府の組織に倒されてて「何のために出て来たんだこの人…」って中途半端な印象が残ってしまいました。仮面ライダーが戦わないんだったら、バトルシーンは全カットで『政府組織が倒して毒だけ回収しました』って報告で終わらせて良かったんじゃないかな。

4人目の蜂オーグ。ルリ子と湿度高めの百合+キルビルっぽい幹部。ラスボスの野望を語る前準備的なキャラだったので、蠍にかけた尺をこちらに回した方が話が分かりやすくなったんじゃないかな。

5人目、3種合体オーグ。「姿を消せるマント」を捨ててしまった(んだよね?)ので、仮面ライダーにボコられて逃げられずに倒されてしまったアホの子。

敵としては良いキャラしてたのでもうちょっと活躍してほしかったです。

ラスボス(イチロー)

超オーグかと思ったら蝶オーグだったり、今作の「よく分からん」の原因は大抵この人。

最初見た時は、何でライダー達はこの人を倒せたのか分かりませんでした。

*プラーナ供給装置の玉座を壊したのでイチローのプラーナ(残りエネルギー)が有限になったので、じわじわとプラーナを削って電池切れ状態に追い込んで勝ったということらしいです。

蝶がモチーフなら背中に派手な羽を生やして欲しかった。

「母が理不尽に殺されましたが加害者の考えが分かりません。なので、人間の肉体から魂を引っこ抜いて一か所に集めて全部混ぜちゃえば、他人の考えが全部わかるから人々は幸せになれると思います」という、碇ゲンドウとブリタニア皇帝みたいな動機で人類補完計画・Cの世界の計画を始めた人。

うーん、やっぱり庵野作品のラスボス。

バトル絡み

仮面ライダーのバトルは基本的に「ジャンプして蹴る」と「(空中にジャンプしてからの)近接格闘戦」。それはそれで潔くて良いんだけど、ドラゴンボールやプリキュアを見慣れているとモッサリしてるように感じるのが残念。

敢えてのチープな演出なのかもしれないけど、バトルシーンはキモなんだからもっと力を入れて良かったんじゃないかなぁ。

あと、蜘蛛、蝙蝠、3種合体の男性幹部は仮面ライダーがライダーキック(暴力)で倒したけど、蠍と蜂の女性幹部は政府組織が銃で倒してる当たりに、なんかこう、忖度というか時代的な配慮というかそういうのを感じてしまいました。

後半のトンネルでのバトルは、ただひたすら「画面が暗い」。監督の拘りだそうですが、ここは裏目に出たなーって印象です。「暗闇の中を逃げるライダー二人を、目だけが光ってる量産型ライダーが無数に隊列をなして襲ってくる」なら怖さの演出だと思うんですが、真っ暗な中でバトルされても、ねぇ…。

黒いバッタが群れで襲ってくるのは蝗害を連想させる不気味さがあるのに、画面が暗すぎるせいで「暗くて見えないよ…」としか思えなかったのが残念。

ラスト

仮面ライダー1号のプラーナ(魂)がメットに残って、2号と共に「生きて」いくという終わりは良かったと思います。1号、ルリ子と出会ったことで心情に変化があった2号も良かった。

でも、「加速するぞ!」と言ったのにスピードが変わってないように見えるのがすごく気になってしまいました(笑)。

初見で「わけがわからないよ」となった時は、Youtubeで解説動画を見るとかなり解像度が上がると思います。

私のおすすめはこちらの動画。

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